アマゾンプライムの無料書籍で落合陽一「魔法の世紀」があったので読んだ感想

amazonプライムだと毎月一冊無料で書籍を読める※んですけど、その中に落合陽一の「魔法の世紀」があったので、さっそく読んでみました。
※毎月一冊無料でランナップの中から一冊フルで読めますが、次月になって別な本を選択すると現状無料で読んでいる本は消去されます。そういう仕組みみたい。

21世紀も既に15年が過ぎようとしています。
現時点での人類の立ち位置と今後の世界について「魔法の世紀」をキーワードにメデイア古今の歴史から現代、そして未来について。最先端の概念提起に挑戦している意欲作です。
「メディアアーティスト」を自称し研究者でもある、「現代の魔法使い」こと落合陽一氏の初の単著の単行本とのこと。

落合陽一といえば、Youtubeで世界的に話題となったこの動画が有名です。

Three-Dimensional Mid-Air Acoustic Manipulation [Acoustic Levitation] (2014-)

Fairy Lights in Femtoseconds: Tangible Holographic Plasma (SIGGRAPH)

落合陽一氏について詳細はこちら
http://96ochiai.ws/Yoichi_Ochiai/index.html

全体的には非常にわかりやすく読みやすい

用語や引用元は多岐分野にわたるので予備知識が無いと、すんなりとは入ってこない部分もあります。
ですが、全体を通してみると平易にかつ丁寧に説明されていて、大変わかり易いものでした。
章が進むにつれ、章と章の関連性が徐々に浮かび上がっていく読後感は、なかなか爽快な体験です。

氏の公式サイトの「ヴィジョン」を読むと、指向する方向性と意味内容が、より分かりやすくなると思います。

2060年の僕はこの世界に魔法を実現しているだろうか?

今の僕が目指している世界は,生きているだけで新鮮な喜びに満ちあふれている世界だ.

日々を新しく感じさせる魔法が,日々を楽しくする魔法が,

子どもから老人に至るまでの全ての人によって駆使されているそんな世界だ.

コンピュータは魔法の箱.あるはずのない虚構の関連性を作る魔法の連結器だと思う.

初めてコンピュータに触れるとみな,情報世界の自在さに感動を覚えるだろう.

僕は今でも初めてペンタブレットを買ったときの感動を覚えている.

線の形が自由に変わる魔法のペン,消えたり書き足したりも自由自在だ.

でもどこか寂しかった.それは,データが常に画面の向こう側にあることが原因だった.

データは印刷すればこっちに出てくる.ほんの一手間かけるだけで,こちら側に来る.

しかし,その微かな一手間,でもその一段階が無限の谷を作っている.

この生まれ持った身体と地続きではないのだ.

この身体と地続きの物理世界に魔法を引き起こしたい.

新しい万年筆を買ったときのうれしさが毎日やってくるような世界.

ただ線を書いているだけでうれしい,驚きや心地よさがあるようなそんな道具に囲まれた世界.

思い返してみれば,子どものときはこの世界のあらゆることが真新しく,すべての現象が愛おしかった.

物理世界と自分の身体が一対一で対応し,日々新しい驚きが観察されるこの世界は壮大なおもちゃ箱だった.

虫眼鏡で覗けば,拡大される事物に驚き.マッチを擦ってはその熱さに驚いた.

コンピュータが物理世界に干渉する.この世界と自分との間に魔法の連結器を形作る未来を考えたい.

この世界と自分の体との関係が魔法の連結器で接続され,あらゆる魔法を行使できる.

その魔法は機械感がないほど十分に滑らかで,見分けのつかないほど十分に細かく,この世界にとけ込む魔法だ.

ただ仕事や作業を繰り返す毎日でも,この世界と対峙することに喜びが見いだせる.

魔法の連結器のからくりと表現によって,

我々が常にこの世界を,新鮮な世界にみることができるような,そんな未来を目指したい.

[中略]

誰もが魔法使いになれる世界,誰もが魔法のような物理世界をコンピュータによって記述したなら,

それは,誰もが研鑽出来る世界だ.

この地球を覆い尽くす植物のように,この星をコンピュータが被覆し,

我々が酸素を吸って呼吸するように,そんな自然さでコンピュータの恩恵を得られる世界だ.

この星のインフラとして至る所に魔法の箱が存在し,人々が楽しく操作をする現実世界.

あらゆる物理的パラメータは計算され,物理パラメータはアクチュエータによって書き換えられる.

知的にサステーナブルな未来を実現する世界だ.

その世界の中で起こる,あなたの努力や感情,愛おしさ,感動を世界は忘れない.

この星の物理的,そして知的なインフラであり,同時に記録器でもあるコンピュータ.

連結された魔法の箱に被覆された世界全体,それ自体がすべての人々のことを覚えている.

過去,現在のいたるところの記憶,

それは我々が常に生きていることを世界全体に知らしめ,我々自体を偏在可能な存在にする.

触れることの出来る,見ることの出来るこの星全体は,

あなた自身の写し鏡であり,墓であり,記憶であり,人生そのものだ.

あの時間に戻ることも,あの人を降霊することも可能な世界だ.しかもそれが触れられる環境として現在する.

データと物理が結びついたインターフェースの先には,極めて自然に現前する奇跡がまっている.

張り巡らされた星のインフラは,無機的循環を繰り返す惑星と,有機的で壊れやすい我々を接続する.

架け橋であり,魔法の源であり,計算だけではない計算機,物理的な干渉能力を持った計算機の集合体がこの世界を形作る.

星のインフラが張り巡らされたとき,

表現と発見とからくりが一体化されたとき,感動は世界をめぐり,さらなる知的興奮を様々な形で芽吹かせるだろう.

大きくても小さくてもかまわない.我々が日々新鮮な感動を忘れず,新鮮な知的興奮と気持ちよさの中で未来を夢見るような物理世界.

生まれたての子どもから死に行く老人まで誰もが,コンピュータの存在を意識せず,

有機生命として自然な形でその知性を行使する.

目の前に広がる愛すべき物理世界,そこにこの星のインフラを実現する.

それは魔法のインフラに被覆された世界だ.

そのためにこの50年を使う.

落合陽一

一方でわかりにくいところも少しあった

所々で氏が独自に定義している用語・概念が、初読ではわかりにくい部分がありました。
ですがこれは、今後の自分の認識次第のような気もするので、この書の絶対的な欠点とは成り得ない部分とも思います。総じて読み物として構成がとても優れていると思いました。

知的刺激に満ちている

とにかく知的な刺激に満ちていて、「もし、こうすればどうなる?」「こうだったらどうだろう?」などと知的想像がどんどん広がる内容です。

あと、物理世界への実装は必須!なんだなあと思いました。
科学とアートを一つに統一していく視点が自分には斬新で、軽い気持ちで読んでみたけど、すごい本だよ、これ。

みんな未来を知りたがっている

本書の元になったのはメルマガ「ほぼ日刊惑星開発委員会」連載の「魔法の世紀」第1回〜第8回の内容に大幅な加筆をしたものですが、もしかすると落合ファンには見覚えのある内容なのかもしれません。

私は氏についてはYoutubeの話題の動画などで名前は見知っていましたが、その思想の根源にあるフェティシズムとモチベーションに至るまでの詳細を知ったのはこの書が初めてでした。

人類が本当の「魔法の世紀」に至るまでには、まだキーとなるテクノロジーのホップが絶対的に足りないのではないか・・・とも思いますが、それは単に自分が知らないだけなのかもしれません。

物理世界をリアルタイムでシームレスにコーディングできるようになった時、人間の本質をもアップデートされうるのか、あるいはしていくのか。それはどういうものなのか。
我々の世界に対する、自然に対する考え方を、根本的に変革する考えを多く含む示唆に富んだ内容です。

神中心、そして人間中心の世界観からのパラダイム・チェンジが起こるのか、どういう風に世界観が変わるのか。
未来の世界をちょっと垣間見てみたい方に非常にオススメです。

※電子版は製作の遅延により、発売日が11月27日から11月30日へと延期になったそうで、お詫びキャンペーンとして、落合さんが出演されている対談の内容をまとめたPDFをフォームから申しこめばもらえるようです。

作中登場関連のおすすめ作品

言わずと知れた名著。「印刷術はその以前の人間の経験と精神態度を根底から変化させた」

Alto使ってみたいなぁ。

脳核以外を義体化した素子を突き動かしているのもまた、フェティシズムとモチベーションなのか「ネットは広大だわ・・・」

「世界は新たな再魔術化が可能ではないか」

落合氏にツイートしていただけましたよ!


こちらこそ、大変面白い本を書いていただいて、ありがとうございます!
無料で読んですんません!でも結局、手元に紙で置きたくなったので書籍買いました!
amazonの思う壺!



caay
最後まで読んでいただきありがとうございました! こんな感じであまり気張らず、ダラダラと、楽しんでやっています。 どうぞよろしくお願いいたします。もしちょっとでも!ほんのちょっとでも興味を持っていただけたなら! 下のボタンよりフォローお願い致します。 小躍りしながら喜びます!